サクサク食感が魅力のクロワッサン
豊かなバターの香りと、パリッとしたクラストにフワッとやわらかなクラム。そしてカットすると現れる蜂の巣状の断面。
クロワッサンならではの特徴は、全てバターを包んだ生地を折り込んで層にすることで生まれます。
さまざまな折り方のレシピがあるクロワッサンは、折り込んだ層を何層にするのかで、見た目だけでなく香りや食感にも違いが出てくるパン。
今回は基本といわれている、「三つ折り×3回」と「四つ折り×2回」の折り方を比較。
出来上がりにどのような違いが出るのかを検証してみました。
クロワッサンが層になる理由
クロワッサンは、パン生地でバターを包み込み、薄くのばしては折り畳むのを繰り返し、生地とバターの層を何層にも折り重ねて作るパン。
成形した生地をオーブンに入れて焼くとバターの層が溶け出し、さらに油脂に含まれている水分が蒸発。その水蒸気で生地が離れ、持ち上がるのです。
膨らんで薄くなった生地に火が入ると、まるでバターで揚げ焼きしたようなサクサクッとした食感になります。
生地とバターが均一になるように折り込むのが大切なクロワッサンですが、折り込み方を変えると、どんな違いが出てくるのかを比べてみましょう。
三つ折り×3回の折り方
- パン生地でバターを包んだらしっかりとじ、生地を薄くのばしていきます。
- 上から1/3を折り畳み、同じように下の生地も1/3折り畳みます。
- 三つ折り1回目が終了。
冷蔵庫で生地を冷却しながら、同じ作業をあと2回繰り返します。
これで三つ折り3回が完了します。
四つ折り×2回の折り方
- パン生地でバターを包んだらしっかりとじ、生地を薄くのばしていきます。
- 下から1/4を折り畳み、それに合わせるように上の生地も折りたたんだら、さらに半分に折り畳みます。
- 四つ折り1回目終了。
冷蔵庫で生地を冷却しながら、同じ作業をあと1回繰り返します。
これで四つ折り2回が完了します。
焼き上がりを比較してみた
三つ折り3回も四つ折り2回も、「成形→二次発酵→焼成」は同じやり方と時間で進めました。
焼き上がりがどうなったか、比べてみましょう!
見た目
ひと目見ただけでも、左の三つ折りのほうがボリュームよく焼けているのが分かります。
これは、折り込み回数が多いほど、層の数が多くなるのでボリュームが大きくなるからだと考えられます。
三つ折り3回
- 一枚一枚の層が薄く、表面の層も見るからに薄い。
- ハラハラと崩れやすい、繊細な焼き上がり。
四つ折り2回
- 三つ折りに比べると一枚一枚の層が厚く、焼き上がった表面の層も見るからに厚い。
- パリッとしたしっかりめの焼き上がり。
断面
クロワッサンをカットしたときに現れる、蜂の巣状の断面。これにも、三つ折り、四つ折りそれぞれに違いが出ました!
三つ折り3回
- 層が薄く、細かな蜂の巣状。
四つ折り2回
- 層に厚みがあり、三つ折りよりも粗い見た目の蜂の巣状
食感
三つ折り3回
- 持っただけでハラハラと崩れ落ちていく繊細な焼き上がりで、サクサクふわふわな食感。
四つ折り2回
- 外の皮はパリパリ。ザクザクとしたしっかり食感。
まとめ
バターを折り込んだ生地を何層にも巻いて作るクロワッサン。
三つ折りをした生地は、層の数が28層。
四つ折りをした生地は、層の数が17層。
折り込み回数によって、層の数と厚みが変われば、見た目や香り、食感に違いが出てきます。
三つ折りで作った生地は、層が薄いのでフワッとボリュームが出てサクサクふわふわの軽い食感に。
四つ折りで作った生地は、層に厚みがあるのでバターの風味を感じ、ザクザクとしっかりとした食感に。
同じ配合でも折り込みのやり方が違うだけで、これだけ食感や仕上がりが変わるのは面白いところですよね。
でも、食べた感想は、
「サクサク、ザクザク、どちらもおいしい!」
香りや食感は、食べる人の好みによるもの。折り込み方を変えるだけで、より自分好みの満足できるクロワッサンができるかもしれませんよ。
折り込み方法を変えて、自分好みのクロワッサンを作っちゃおう!
気温が少しずつ下がってきて、クロワッサンの季節到来!
折り込み作業がグッとやりやすい時期がやってきます。
今回のコラムを参考に、自分好みのクロワッサン作りにチャレンジしてみてくださいね。