カフェ・飲食店をはじめ、お菓子屋さん・パン屋さんが経営を成功させるためにはマーケティング活動が重要です。
特に新規開店前後は、お客さまに来店してもらうためのマーケティングに力を入れる必要があります。
「マーケティング」というと難しそうに聞こえるため、「何をすればいいの?」とお悩みではありませんか?
本記事では、開店準備段階でやるべきマーケティングのノウハウや具体的なプロモーション活動について紹介します。
経営の成功率をアップさせるためのヒントをお届けしますので、ぜひ最後までご覧ください。
開店前のマーケティング重要性とポイント
「マーケティングは開店してから始めてもいいのでは?」と思うかもしれません。
実は、起業と同時にマーケティング活動ははじまっています。
「マーケティング」とは、経営における
売れる仕組み作りに関する活動の総称です。
どのようなお客さまに、どのような価値を、どのように提供するのかを考え、商品・サービスが売れる仕組みを構築します。
マーケティングの基本的な考え方については、こちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にご覧ください。
お菓子屋さん・パン屋さんに必須のマーケティングとは?キホンを解説
お店をオープンさせたとしても、すぐにお客さまが来店してくれるとは限りませんよね。
足を運んでもらうには戦略が必要です。
オープン直後は集客の大きなチャンスです。
「新店」というお客さまの興味を引きやすい旬の期間を最大限に活用しましょう。
多くのお客さまに来店してもらえると、後々リピート客になってくれる可能性も高まります。
新店である時期を逃さずに、1人でも多くのお客さまに来店してもらうためには、マーケティング活動が必須なのです。
開店前から取り組みたいマーケティング活動を見ていきましょう。
店舗の土台作り!ターゲット層とコンセプトを決めよう
あなたのお店が「どのようなお客さまに、どのような価値を、どのように提供するのか」を決めるために、お店のターゲットとコンセプトを決めましょう。
お店のターゲットを決めよう
必ず最初に具体的なターゲットを設定しましょう。
ターゲット設定をすることで、「これからどんなお店作りをするのか」の方向性が分かるからです。
例えば、下記のような項目でターゲットを設定します。
- 性別
- 年齢
- 職業
- 所得
- 家族構成
- 住まい
- 趣味・趣向
など
ここで重要なのは、できるだけ現実的な設定をすること。
あなたの周囲に実在する人を思い浮かべると設定しやすくなります。
「詳細に決めると、お客さまの層が狭くなるのでは?」と思うかもしれません。
競合店と自店舗とを差別化するためには、このターゲット設定が重要です。
設定したターゲットに「選んでもらえる」という軸ができることで、ブレることなくお店のコンセプト作りができます。
お店のコンセプトを作ろう
ターゲット設定ができたら、お店のコンセプトを設計しましょう。
コンセプトとは「ベースとなる考え方や観点」を意味します。
例えば、販売する商品やその価格、店舗の雰囲気、お店のロゴ、接客など、これから決めていく多くのことの土台となるものがコンセプトです。
例えば、「ナチュラルな素材にこだわり、子どもが安心して食べられるおやつ」というコンセプトの焼き菓子屋さんがあるとします。
- オーガニックの焼き菓子
- 子どもが好む商品を充実させる
- アレルギー対応のお菓子も準備する
- 子育て世帯の多い地域出店する
- お母さんが足を運びやすい雰囲気の店構えにする
- 子ども連れでも大丈夫なように、ゆとりのある空間を作る
など
上記のように、コンセプトに沿ったお店や商品づくりをやりやすくなります。
コンセプトは5W1Hに沿って考えるのがおすすめです。
- What:何を
商品の内容や価格
- Who:誰に
ターゲットとなる人
- Where:どこで
最適な立地
- When:いつ
営業日や時間
- Why:なぜ
利用目的、利用シーン
- How:どのように
サービスの内容、お店の雰囲気など
コンセプトといっても、驚くような奇抜なアイデアが必要というわけではありません。
大切なのは、お客さまが来店したくなる理由をつくること。
ターゲットの趣向や世の中のトレンド情報を捉えつつ、あなたのお店ならではのコンセプトを作り上げましょう。
開店前に必須!リサーチ活動で情報収集
お店のコンセプトが決定したら、開店する場所が決まってきますよね。
開店エリアのリサーチも大事なマーケティング活動です。
商圏調査
商圏とは「お店のターゲットとなるお客さまが生活している範囲」のこと。
「生活している人々」なので、商圏内に住んでいるだけでなく、その範囲に日常的に来る買い物客や働いている人なども含みます。
お店のコンセプトを決定してから出店エリアを選ぶ場合は、商圏調査を実施し、自店舗のコンセプトの対象となるターゲットが存在する商圏なのかを確認しましょう。
反対に、先に店舗物件を決めてから店舗のコンセプトを考えるパターンもありますよね。
この場合は商圏調査の結果を参考に、店舗のターゲット層やコンセプト設計をしましょう。
調査する項目としては、下記のようなものが挙げられます。
- 地域の人口
- 世帯数
- 世帯人数
- 昼夜人口(通勤・通学などで時間により人口が変わるため)
- 年代別の人口
- 所得
- 交通手段
- 競合店の数
など
商圏調査は実際に足を運んでみることがおすすめです。
また、総務省統計局が運営している地理情報システム「
jSTAT MAP」も商圏調査の参考になりますのでご覧ください。
競合調査
出店する商圏の競合調査も行いましょう。
競合店によりお店の売上げは左右されます。
出店予定地の近くにどのようなお店があるのか、事前にリサーチすることが重要です。
競合店を調査することで、「どんな客層が」「どんな時間帯に」「どのような目的で」来店しているかというような、さまざまな情報が手に入ります。
ポイントは競合調査をする対象は同じ業種だけに絞らないこと。
利用シーンや動機が合致する業種も競合調査をしましょう。
例えばカフェの場合、以下のような利用目的が想定できます。
- ママ友とおしゃべりしながらお茶をしたい
- 買い物や仕事などの合間にひといきつきたい
- ランチを食べたい
このような場合はカフェだけでなく、ファミリーレストランやファーストフード店も競合になり得ますよね。
競合調査では下記のことを調べ、深掘りしましょう。
- 商品やメニュー
- 価格
- 利用シーン、目的
- 利用するお客さま層
仮にターゲットとなるお客さまが多くいる商圏に出店しても、たくさんの競合店が出店している場合、集客が難しくなってきますよね。
また、競合店がたくさんある場合は、そのエリアは集客効果が高い商圏であるということも考えられます。
カフェ・飲食店の場合は以下の点も調査するのがおすすめです。
- お客さまの滞在時間(回転率)
- 1組当たりのお客さまの人数(平均組人数)
例えば、物件を決めてこれから内装を考える場合、客席数を決定しなくてはなりませんよね。
競合店の回転率や平均組人数が収益モデルとして参考になります。
洋菓子店やパン屋さんなどテイクアウトの店舗であれば、下記の点も調査しましょう。
ここで指す「客単価」は、商品の価格だけでなく、お客さまがどの程度買い物されているか、という視点で調査しましょう。
上記の2点を調査することで、自店舗の商品価格の設定やメニュー設計などを考える際の参考になります。
出店する商圏で競合店との差別化をし、自分のお店を選んでもらう戦略を立てるために、競合調査は欠かせないのです。
開店前こそが最大のチャンス!集客のヒント
次に、新規オープンの前からできる集客についてみていきましょう。
「集客は開店してからするのでは?」と思われるかもしれませんが、実は開店前こそが集客のカギを握る大事な時期。
お店がグランドオープンしてから告知をしても、お客さまに認知してもらってから「来店する」という行動に移るまでは期間があるからです。
お客さまが購買に至るまでの心の動きをモデル化した「AIDMAの法則」を見てみましょう。
上記のように、お客さまには認知から行動に移るまで、心の動きのプロセスがあります。
「新店」という好奇心をくすぐるワードが使えるのが、この時期の最大の武器。
ぜひ開店前から集客に取り組んでいきましょう。
SNS運用
スマートフォンが普及し、SNSの利用率が急上昇している昨今。
InstagramやFacebook、X(旧Twitter)などのSNSを、開店前からプロモーションとして活用しましょう。
開店前ならではの情報を掲載できますよ。
例えば、「100日後にオープンするベーカリー」というテーマで投稿し続けるとします。
店舗の内装が出来上がっていく様子や、販売する商品を試作する様子などが投稿されていると、開店までの期待感が高まっていくと思いませんか?
準備から店舗開店までのストーリーが伝わるため、コアなファンがつくことも期待できます。
設定したターゲット層がよく利用するSNSプラットフォームで発信しましょう。
MEO対策
「MEO対策」という言葉を聞いたことがありますか?
MEOとは「Map Engine Optimization」の略語で、「Googleマップでの検索エンジンを最適化する」という意味合いです。
Google検索やGoogleマップ検索で、自店舗のGoogleビジネスプロフィールを上位に表示させるための対策を示します。
お客さまはお店選びをするとき、Google検索やGoogleマップ検索を利用します。
そのため、検索結果のマップ上で店舗が表示されることが集客で重要なポイント。
オープンするときにはマップ上に表示されるよう、あらかじめ準備をしておきましょう。
チラシ
オンラインだけでなく、オフラインでの集客も実施しましょう。
商圏エリアの人々に確実にアピールする手段としてチラシは有効な施策です。
新規オープンをお知らせするチラシの場合、下記のような情報を掲載しましょう。
- 開店日
- 営業時間
- 住所
- 電話番号
- 地図
- 店舗のSNS
など
オープニングイベントのお知らせやクーポンなどがあれば、より集客効果が期待できます。
もし費用を捻出できるのであれば、チラシのポスティングという選択肢もあります。
ポスティングサービスを利用すると、店舗周辺の世帯のポストに、制作したチラシを投函してもらうことが可能です。
ポスティングの目安範囲は店舗を中心に自転車で10分程度の商圏です。
また、近隣の同業以外の店舗さまへ訪問し、オーナーさまに置きチラシを依頼するのもひとつの手。
近隣の店舗さまとコミュニケーションをとっておくことは、地域コミュニティー内で店舗運営する上で大事なことです。
お客さまの1人になってくれる可能性もあります。
チラシを活用してお店のオープンをアピールしましょう。
ポスター
店舗の外装工事が完了したら、店舗の外壁にオープンを告知するポスターを貼ることもおすすめです。
通勤や通学などの生活圏であれば、毎日のように同じ人が通りますよね。
道行く人々から「こんなお店ができるのか」と認識されやすくなります。
通りすがりの人から見て、店名や開店日などが分かるようにポスターを作製しましょう。
ポスターを貼ることは広告行為です。
自店舗以外は許可なくポスターを貼れませんので、その点は注意しましょう。
「開店」の集客チャンスを逃さないために|オープニングイベントを開こう
いよいよ開店、となる前に準備しておきたい施策として、「オープニングイベント」の例を紹介します。
オープニングイベントは注目を集める効果があり、お店の存在を周知しやすくなります。
「イベントがあるから行ってみよう」という理由で来店の動機にもなりますよ。
オープニングイベントは期間を決めて、限定性を持たせるのがコツ。
「今だけだから」という心理が働いて、行動を促してくれます。
予算がある場合、例えば限定クーポンや、ノベルティプレゼントを企画すると、さらなる集客効果が期待できます。
イベントを実施する場合は、チラシやSNSを活用して、事前に告知も行いましょう。
まとめ|開店前からのマーケティングで店舗経営の成功を目指そう
この記事では、カフェや飲食店をはじめ、お菓子屋さん・パン屋さんに欠かせない開店前のマーケティングについて解説しました。
開店前こそ、店舗経営を成功させるためのマーケティング活動が重要です。
まずはお店の方針となる、ターゲット層とコンセプトを決めましょう。
設定したコンセプトに沿って、お店作りや出店エリアを決定します。
出店エリアが決まったら、商圏調査や競合調査を実施し、自店舗を差別化させるポイントをブラッシュアップしていきましょう。
集客は開店前こそが大きなチャンス。
SNSやチラシを活用し、グランドオープンするときに多くのお客さまに来店してもらえるように種まき活動をしましょう。
「新規開店」という魅力的なワードが使えるうちにオープニングイベントを実施し、1人でも多くのお客さまに来店してもらえるように準備しましょう。
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