スマートフォンの普及とともに、ここ数年でSNSの利用者数が増加。
SNSの中でもInstagram(インスタグラム)は、日本国内でユーザー数が3,300万人を越え、多くの人々から日常的に使用されています。
お菓子屋さん、パン屋さん、カフェ・飲食店でも集客・販促ツールとしてインスタグラムを運用するお店も増えてきました。
一方で「インスタを始めたけれど、集客できない」「効果的に集客する方法がわからない」とお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
この記事ではインスタグラム運用を集客に活用するためのコツやポイントをご紹介します。
コツを意識して投稿すれば、集客の効果がグッと出やすくなりますよ。
これから運用を始める方も、運用を見直したい方も、ぜひチェックしてくださいね。
Instagramと飲食店集客
インスタグラムが飲食店の集客に活用される理由についてみていきましょう。
Instagram(インスタグラム)の特徴
Instagram(インスタグラム)は、主に20代〜30代を中心に人気のある写真や動画が投稿できるSNSです。
「インスタ」の通称で広く普及しています。
写真・動画をメインとした投稿機能が充実している点が特徴です。
投稿機能は
の4種類あります。
投稿に「いいね」したり、コメントをしたり、アクションのやり取りを通してユーザー同士のコミュニケーションが取れます。
ビジュアルメインという特徴から、グルメやファッション、美容などのジャンルに関心を持つユーザーが多い傾向にあります。
視覚から商品・サービスの魅力を伝えられるため、認知度拡大やファン化、集客などさまざまなシーンで活用できるSNSです。
ビジュアルメインのSNSという点で、インフルエンサーによって情報が拡散されやすいのも特徴のひとつ。
自分の趣味や嗜好に似ていたり、憧れの存在であったりするインフルエンサーからの発信は、フォロワーの信頼を得やすい情報です。
インフルエンサーの中にはフォロワー数が何万も超えるような人もいます。
たくさんのフォロワーから別のユーザーへと情報が拡散されることで、その情報はより多くの人々へと届きやすくなるのです。
このような背景から、インフルエンサーの影響力をマーケティングに活用する「インフルエンサーマーケティング」という方法もあります。
また、インスタグラムの大きな特徴として挙げられるのは「ハッシュタグ(#)」の存在。
ハッシュタグとは投稿内のタグとして使われる、検索用のキーワードのことです。
ワードの頭に「#」を付けて投稿すると、自動的にハッシュタグと認識され、検索キーワードになります。
また、そのハッシュタグをタップすると、同じハッシュタグが付いた投稿を検索できるのです。
つまり、インスタグラムは
という側面を持つSNSなのです。
インスタグラムと飲食店集客は親和性が高い
スマートフォンの普及に伴い、SNSの利用者数も増えてきた昨今。
インスタグラムにX(旧Twitter)、Facebook、Tick Tock、LINE公式アカウントなどさまざまなSNSが展開されています。
下の円グラフは株式会社シンクロ・フード(https://www.inshokuten.com/research/company/)が実施した飲食店向けアンケートで、飲食店がSNSを集客に活用する割合を調査したものです。
飲食店.COM(株式会社シンクロ・フード)調べ
引用元:
飲食店リサーチ
8割を超える店舗が集客方法としてSNSを活用しており、その普及率の高さがうかがえます。
中でも集客を目的として活用する主なSNSとして、店舗全体の約6割がインスタグラムであると答えています。
飲食店.COM(株式会社シンクロ・フード)調べ
引用元:
飲食店リサーチ
SNSを集客に活用するメリット・デメリットや、各種SNSの特徴はこちらの記事で解説していますので、チェックしてくださいね。
【飲食店】SNSを集客に活用!メリットやデメリット、成功のコツを徹底解説
飲食店がInstagramを集客に使うメリット
インスタグラムは
- ビジュアル特化の投稿機能が充実している
- ハッシュタグ検索
という特徴が強みのSNSです。
画像や動画投稿などのビジュアル訴求がしやすく、シズル感のある表現が好まれます。
また、ハッシュタグで地域名やジャンルの検索がしやすいため、飲食店の集客・販促の味方となるSNSといえるでしょう。
他にも
- 低コストで運用できる
- 視覚から商品・サービスの訴求が可能
- ユーザーとのコミュニケーションが図れる
などのメリットが挙げられます。
飲食店がインスタを活用するメリットについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
飲食店こそインスタを活用!簡単instagram導入ガイド
Instagram集客を始める手順
インスタグラム集客を始めるステップを解説します。
集客の土台作りとして重要な部分です。
既に運用を開始している方も、抜けているところがないかチェックしてくださいね。
1. アカウントの目的を整理|KGIとKPIの決定
インスタグラムの運用を始める前に、目的を明確にしましょう。
「ライバル店が運用しているから」「なんとなく集客に役立ちそうだから」と運用を始めたのはいいものの、運用が負担で続かないというケースは起こりがちな問題です。
飲食店でインスタグラム集客を成功させるために大切なことは、運用の目的を明確にし、最適なKGIとKPIを定めることです。
KGI (重要目標達成指標)とは、最終的に達成すべき目標のことです。
例えばインスタグラムでのKGIは「商品のクチコミから来店数を向上させる」「ブランド認知度を上昇させる」などが挙げられます。
店舗のフェーズはそれぞれなので、その段階の戦略に合わせてKGIを設定することが重要です。
一方でKPI(重要業績評価指標)は、KGIの達成度合いを把握するための指標です。
目標を達成するために日々の活動の具体的な行動指標となります。
KPIはKGIから逆算して設定します。
例として、先ほど挙げたKGIに対するKPIの設定を考えてみましょう。
KGI |
KPI |
商品のクチコミから来店数を向上させる |
・UGC数(クチコミやユーザーの投稿など)
・プロフィールへのアクセス数
・フォロワー数
など
|
ブランド認知度を上昇させる |
・インプレッション数(投稿の表示回数)
・リーチ数(投稿が見られた数)
・プロフィールへのアクセス数
など
|
KGIとKPIには、具体的な数値を設定して目標に対する達成度合いがわかるようにしましょう。
施策を検討したり、投稿を改善したりする際に役立ちます。
2. メインのターゲットを定める
マーケティングでは「誰に」商品・サービスを利用してもらいたいのかを明確にすることが重要。
インスタグラム運用も同様です。
アカウントのメインターゲットになるペルソナを決めましょう。
マーケティングや詳しいペルソナ設定についてはこちらの記事で詳しく解説していますのでチェックしてくださいね。
お菓子屋さん・パン屋さんに必須のマーケティングとは?キホンを解説
ターゲット層に興味・関心を持ってもらうためには、ユーザーのニーズにあった投稿をすることが大切です。
設定するターゲットによって、投稿する内容や投稿頻度なども変わってきます。
ターゲット設定をすることでユーザーに興味を持ってもらえる投稿が作りやすくなるのです。
複数人でインスタグラムを運用する際にも、ターゲットの認識を共有しておくことで、発信内容のズレを防げます。
3. アカウントの発信の方向性を定める(コンセプト設計)
ターゲットが決まったら、アカウントの世界観や方向性を決めましょう。
インスタグラムでブランドのファンになってもらうには、アカウントの世界観の統一性が大事です。
お店はどんなブランディングをしていますか?
- ナチュラルで親しみのある雰囲気
- シックでラグジュアリーなイメージ
- ポップでかわいい
などのように、お客さまに抱いてもらいたいブランドイメージがありますよね。
そのブランドイメージが伝わるように、アカウントや投稿内容を統一させます。
投稿の色味や写真の構図、文字のフォント、言葉遣いなどのトーン&マナー(トンマナ)をそろえましょう。
投稿内容にもブランディングを反映させることがポイントです。
ブランディングについてはこちらの記事で解説していますので、あわせてご覧ください。
【飲食店向け】ブランディングとは?お客さまに選ばれるお店になるためのポイント
4. Instagramアカウントを作成する
インスタグラムのアカウントを開設します。
インスタグラムは個人が使うアカウントとビジネス用の「プロアカウント(ビジネスアカウント)」があります。
店舗用に開設する場合はプロアカウントを利用しましょう。
プロアカウントは通常の投稿機能に加えて
- インサイト機能
- 問い合わせボタンの設置
- Instagram広告(有料)
- Instagramショッピング機能
- DMの返信テンプレートが利用できる
など、ビジネスに役立つ機能が追加されています。
個人アカウントからの切り替えもすぐにできますよ。
アカウントの作成方法、プロアカウントへの切り替え方法はこちらの記事で解説していますので、アカウント開設の参考にご覧くださいね。
飲食店こそインスタを活用!簡単instagram導入ガイド
5. 投稿の計画を立てて投稿開始!
アカウントを開設したら投稿ができますが、いきなり投稿を始める前に、店舗での投稿ルールや投稿計画を立てましょう。
あとは投稿と分析を繰り返し、投稿の質・制度を高めていくことが重要です。
最初に設定した目標に向かって投稿を続けていきましょう。
Instagramで集客できない!よくある失敗
「インスタを始めたけれど、集客につながらない!」
そんな状況にありがちな失敗例を3つご紹介します。
当てはまっているものがないかチェックしてくださいね。
投稿頻度が低すぎる
投稿頻度が低く、更新が一定期間なければフォロワーが離脱してしまうリスクがあります。
フォローしていても情報が得られなければ、「メリットがない」と思われてしまうからです。
更新していないことが理由でフォロワー(見込み客)を手放すのはもったいないですよね。
ひとことで「投稿」といっても、
- 投稿するネタを決める
- 写真や動画の準備
- 文章を考える
- 投稿を作成する
という作業が発生します。
理想は毎日の投稿ですが、日々の業務ではなかなか難しいこともありますよね。
3日に1回、週に1回など投稿頻度をあらかじめ決めておき、業務スケジュールに落とし込むとよいでしょう。
投稿のクオリティを気にしていない
適当に撮影した写真を投稿していませんか?
思い付きで撮った写真、投稿するネタがないからと慌てて撮影した動画などを投稿すると、場合によってはお店の評価を下げることになりかねません。
肝心の商品・メニュー写真があまりおいしそうでなかったり、清潔感がなかったりすると、お店への印象が悪くなる可能性もあります。
あまりにも配慮に欠けた投稿は炎上の恐れも。
ビジュアル重視のインスタグラムだからこそ、写真・動画が不適切な場合は集客効果が得られないこともありますので、その点は注意して投稿しましょう。
ハッシュタグを付けていない
ハッシュタグを付けていない、もしくは適当に付けていませんか?
フォロワー以外のユーザーのほとんどは、ハッシュタグをきっかけにお店のアカウントにたどり着きます。
せっかく投稿してもハッシュタグがないと、フォロワー以外のユーザーから認知されることはとても難しくなります。
集客のチャンスを広げるためにも、ハッシュタグは適切に付けましょう。
ハッシュタグの付け方のコツは次の章で解説します。
Instagramを効果的に集客するには?成功のための5つのコツ
インスタグラム運用を集客に活かすコツをご紹介します。
ポイントを押さえて、インスタグラムを店舗経営、売り上げアップに貢献するツールへと育てていきましょう。
写真や動画のインパクトで「お店ならでは」を演出する
集客に結び付けるためには、インスタグラムのユーザーに「食べたい」「お店に行きたい」と思わせることが大事!
投稿する写真・動画の質は重要です。
シズル感や温度感を意識し、おいしさが伝わる撮影を心がけましょう。
また、掲載する商品・メニューもお店のオリジナル要素を入れるように意識してみましょう。
看板メニューの開発もおすすめです。
そのお店ならではの特別なメニューの存在は、来店の動機となります。
ビジュアルに特徴を出し、「撮りたい」と思わせるような商品開発も集客効果が期待できます。
写真の投稿だけでなく、動画のリール投稿や、日々のお知らせを投稿しやすいストーリーズなどを活用し、「お店らしさ」が伝わるコンテンツを発信していきましょう。
ハッシュタグを研究し、的確に検索結果へ露出する
キャプションやコメントに付けるハッシュタグ(#)は、集客のカギを握ります。
ハッシュタグはひとつひとつが検索結果へのリンクになっているからです。
ユーザーは、ハッシュタグ検索で興味がある情報を探しています。
投稿の際に「#チーズケーキ」「#スイーツ」などのような関連するワードをタグ付けすると、フォロワーかどうか関係なく、そのワードを検索したユーザーに店舗アカウントの存在を周知できるのです。
認知度アップのためにも、投稿には必ずハッシュタグを付けましょう。
下記の3つは必ず付けたいハッシュタグです。
- 店舗名
- 店舗が所在するエリア名(都道府県名や地域、駅名など)
- 料理やジャンル名
【例】
#コッタパティスリー(店名)
#ケーキ
#cake
#原宿ケーキ
#原宿スイーツ
#東京グルメ
「#原宿スイーツ」のようなハッシュタグを付けると、お店のことは知らなくても「原宿でおいしいスイーツを探している」というような人が検索して、お店を見つけてくれる可能性が生まれます。
適切にハッシュタグを付けることで、お店のことを全く知らない人にもアプローチができるのです。
ハッシュタグは最大で30個まで付けることができますが、付ける数よりも投稿との関連性を意識する方が集客に効果的です。
反対に、関連性のないワードを付けてしまうとユーザーの検索意図と異なった投稿となり、投稿のランクが下がる可能性があるので注意しましょう。
位置情報(ジオタグ)を付ける
インスタグラムでは投稿時に「場所を追加」というメニューがあり、店舗のスポット情報(ジオタグ)を設定できます。
スポット情報を付けると、特定のスポットについて調べたいユーザーや、その場所で投稿したユーザーが同じスポット情報を付けた投稿を見る可能性があります。
つまりスポット情報はハッシュタグと同様に、投稿を見てもらう間口を広げる役割があるのです。
位置情報を活用するために、まずはスポットの候補に自店舗が表示されるかを確認してみましょう。
もし候補にない場合はFacebookでスポット情報を追加できます。
プロフィールはアカウントの「顔」のような存在。
インスタグラムユーザーはプロフィールの充実度によってアカウントをフォローするかどうかを決めることが多いです。
初めてアカウントに訪れたユーザーにも伝わるように、プロフィール文にしっかりと情報を掲載しましょう。
具体的には下記のような情報を載せます。
- 店舗名
- 所在地
- お店のジャンル
- お店のウリやコンセプト
- インスタグラムでどのような情報を発信しているのか
なお、プロアカウントの場合は電話番号やWebサイトリンクは別途設置できるため、プロフィール文中に記載しなくても大丈夫です。
150文字の文章が掲載できますが、スマートフォン上で表示されるのは4行目まで。
そのため、できるだけ文章の前半で伝えたいことを簡潔に掲載することがポイントです。
店舗の基本情報はもちろん、どういったアカウントで、どのような情報を得られるかも明記します。
フォロワー増加を意識する場合は、「アカウントをフォローするメリット」を織り交ぜてプロフィール文を作りましょう。
既存顧客にフォローしてもらう仕組みを作る
インスタグラム経由で店舗について知ってもらうことも大事ですが、店舗に来店したお客さまにインスタグラムのことを知ってもらい、フォロワーになってもらうことはとても重要です。
お店のアカウントの存在を来店客にお知らせしましょう。
例えば店舗出入口付近にアカウントのQRコードを掲示したり、レジ前にPOPを設置したり。レジ会計時に「インスタでキャンペーン情報を発信しているのでフォローお願いします」のようにお知らせするのもよいでしょう。
既存顧客がフォロワーになると、インスタグラムで店舗からの投稿を目にするたびに、店舗の存在を思い出してくれるでしょう。
発信が来店の動機となり、リピーター獲得に効果的です。
まとめ
この記事ではインスタグラムで集客に失敗する原因や集客を成功させるポイントを解説しました。
インスタグラムはリールやストーリーズなど投稿機能が多く、お菓子屋さん・パン屋さん・カフェなどの飲食店と相性のよいSNSです。
せっかく運用するのであれば、集客に結び付けたいですよね。
インスタグラムはアカウントを開設する段階で、アカウントの目的や目標を定めると、より効果的に集客ができます。
今回ご紹介した運用のコツを実践してみてくださいね。
一朝一夕では集客につながるアカウントは作れません。
一方的に店舗の宣伝をするだけでなく、「どんな投稿だと魅力に思ってもらえるか?」というユーザー目線で考えることが大事です。
長期的な戦略でフォロワー数を増やし、お店ならではのアカウントを育て、集客に結びつけてゆきましょう。
コッタビジネスは、全国のパティスリー・ベーカリー・カフェ飲食業種の皆さまにご利用いただいている仕入れサイトです。
食材はもちろん、包装資材や消耗品など、 製造・店舗運営に関わる商材を取り扱いしています。
法人会員さま限定のメールマガジンをお届けしますので、ぜひチェックしてくださいね!
>> コッタビジネスご登録はこちらから
食材・材料・道具を探す
注:記事内容やレシピ・画像の転用・掲載などの二次利用はお断りしております。