お店を経営する上で、常について回るのが集客力アップや売上アップの課題。
これらの経営問題をクリアするために、マーケティングが必須です。
しかし、マーケティングといっても「結局何をすればいいの?」と悩んだことはありませんか?
この記事では、マーケティングの基本的な考え方について解説します。
どのような考え方をすればいいのかを押さえると、マーケティング活動がやりやすくなりますよ。
これから開業される方や、マーケティングの考え方について知りたい方はぜひ最後までご覧ください。
マーケティングとは?お菓子屋さん・パン屋さんにも必要?
マーケティングとは、経営における「売れる仕組み作り」に関する活動の総称です。
どのようなお客さまに、どのような価値を、どのように提供するのかを考え、商品・サービスが売れる仕組みを構築します。
「マーケティング」と聞くと難しそうに感じますが、普段行っている営業活動もマーケティングの一環。
例えば、お店のチラシを配ったり、SNSで新作メニューの発信をしたり、クーポン券を作ったり。
意図せずに行っているこれらの販売促進活動もマーケティングの一部です。
全身全霊をかけて作った商品でも、残念ながら売れるとは限りません。
例えば、和菓子を求めている人に対して、どんなにおいしい洋菓子を売り込んだとしても、「買いたい」とはなりませんよね。
お店の商品・サービスを届けるためには、お客さまのことを理解して、自店舗を「選んでもらう」ことが重要。
そのためにマーケティングが必須なのです。
マーケティングのキホンは「3C」
「3C分析」という言葉を聞いたことがありますか?
- Customer:お客さま
- Competitor:競合
- Company:自社
上記の英単語の頭文字をとって「3C」と呼ばれています。
マーケティングのキホンは、3Cである「お客さま」「競合店」「自分の店舗」について知ることです。
例えば、高級志向のパティスリーがあるとします。
高品質なこだわりのある商品、モダンな店構え、ケーキの平均価格は600円超。
このようなお店が、もしも子育て世代の多い地域に出店するとしたらいかがでしょうか?
商品に魅力があったとしても、子どもが好む品ぞろえや、親しみやすいお店の雰囲気がなければ、客足が遠のきますよね。
お客さまのことを深く知れば、お客さまのニーズが分かります。
競合店を深く知れば、自店舗との違いが分かります。
それらを踏まえて自店舗の現状分析をして、他のお店にはない自店舗の魅力を打ち出せれば、「選んでもらえる」お店・商品作りの戦略が立てられるのです。
お客さまの行動決定のプロセスをチェック
次に、お客さまの行動にフォーカスしてみましょう。
お客さまが来店を決めるとき、商品を購入するとき、どのような心の動きがあるでしょうか?
消費者の行動決定までのプロセスを表した「AIDMA(アイドマ)の法則」という考え方があります。
- Attention:注目
お客さまが店舗や商品・サービスに気付く
- Interest:興味
お客さまが店舗や商品・サービスに興味を持つ
- Desire:欲求
お客さまが店舗や商品・サービスを「欲しい」と感じる
- Memory:記憶
お客さまが店舗や商品・サービスを記憶し、検討する
- Action:購入
お客さまが店舗への来店、商品・サービスの購入を決めて行動する
さらに3つの心理段階に分類できます。
- 認知の段階
Attention:注目
- 感情の段階
Interest:興味
Desire:欲求
Memory:記憶
- 行動の段階
Action:購入
AIDMAの行動プロセスを知っていると、お客さまの認知から購入に至るプロセスを段階に分けて評価できます。
「購入」に至るまでのどの段階に問題点があるかが分かるようになります。
段階ごとに目標を設定し、目標に合ったマーケティング活動をすることで、「購入」の段階につなげられるようになるのです。
具体的にどんなことをするの?マーケティング戦略の例をご紹介
具体的にどのフェーズにはどのような対策が必要なのか、一部をご紹介します。
開店前
お店をオープンさせるとき、まずはお店に来店してもらうことが重要です。
「新店」というお客さまの興味を引きやすい旬の期間が集客のポイントとなります。
新店のうちに多くのお客さまに来店してもらえるよう、事前に準備をしておきましょう。
例えば、下記のような対策ができます。
開店前のリサーチの例
- 商圏調査
出店する地域の人口やエリアの特性を調査します。
- 競合調査
出店する地域の競合する店舗を調査します。
同業以外もチェックしましょう。
開店前に取り組みたいマーケティング活動については、こちらの記事で詳しく解説していますのでぜひチェックしてみてくださいね。
「
カフェ・飲食店成功のヒケツは開店前のマーケティング活動にあり!」
集客力アップ
集客は「オンライン」と「オフライン」の2つの手法があります。
また、新規顧客を獲得したいのか、既存顧客のリピートを増やしたいのか、目的によっても手段が異なってくることを留意しましょう。
オンライン集客の例
- MEO対策(Googleマップ検索に店舗を表示させる対策)
- SNSの活用
- 店舗ホームページ
オフライン集客の例
- チラシのポスティング
- イベント・キャンペーンの開催
- 催事やマルシェへの出店
集客についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
カフェ・パン屋の集客方法|新規・リピーター顧客獲得のポイント
商品開発
商品開発は「どのような商品」を届けるのかを決める、マーケティングの中でも重要となる工程です。
自店舗の分析、お客さまの分析、市場調査を行った上で取り組みましょう。
自店舗分析の例
- 売れている商品・メニューの分析
- 商品・メニューを購入するお客さまの属性(性別、年齢層)分析
市場調査の例
- SNSリサーチ
- 雑誌や書籍
- お菓子メーカーの新商品、プロモーション活動
商品・メニュー開発のコツについてはこちらの記事で解説していますので、ぜひチェックしてくださいね。
メニュー開発のコツとは?5つのステップと売上アップのポイントを解説
マーケティング活動のポイント
マーケティング活動を成功させるために、意識したい3つのポイントがあります。
ポイント1. 施策の見直し・改善をする
実施した施策は必ず見直しましょう。
施策の効果を把握するために、データ収集と分析が必要です。
実施する前に目標となる数値を定め、実施中はデータを収集し、施策に効果があったのかどうかを評価します。
成功している場合は、施策の継続という判断が下せます。
効果がなかった場合、どの点が問題なのかが分れば改善し、次の手を打てますよね。
データを確認して現状を把握し、仮説を立てて次の施策を考案します。
これを繰り返すことがマーケティング活動において重要なのです。
ポイント2. 複数の施策を並行して展開する
マーケティング活動をより有効的にするために、複数の施策を同時進行で実施しましょう。
例えばオンライン手法(ローカル検索対策やSNS発信など)とオフライン手法(チラシの配布やポスティングなど)を組み合わせて実施します。
1つの手法だけを実施する場合、うまくいかなかった場合は経営へのダメージが大きくなるリスクがありますよね。
また、集客できるターゲット層に偏りが出る可能性もあります。
このようなリスクを回避するためにも、複数の施策をバランスよく展開することが望ましいのです。
複数の施策を続ける中で、お店に合ったターゲット層や施策が見えてくるようになることも。
注力すべきポイントが分かれば、より効果的なマーケティングができるようになります。
ポイント3. 施策と店舗には相性がある
この記事では、一般的なマーケティング活動を紹介しましたが、どの手法でどのくらいの効果が得られるのかは店舗によって異なります。
他のお店がしている施策を自店舗で実施したとしても、同じような効果が出るとは限りません。
なぜなら「3C」がお店ごとに異なるからです。
自店舗のターゲット層や、出店エリアに合った方法でマーケティング活動を行いましょう。
効果が得られなかった場合は、その施策と相性がよくなかったのかもしれません。
施策の見直し・改善をすれば、よりお店にフィットした活動ができるようになります。
まとめ|お店を選んでもらうために、マーケティングは必須!
マーケティングとは、経営における「売れる仕組み作り」のことで、お菓子屋さん・パン屋さん・カフェなどの飲食業にとって欠かせない活動です。
どのようなお客さまに、どのような価値を、どのように提供するのかを考え、施策を立てることが重要です。
マーケティングを成功させるためには
- Customer:お客さま
- Competitor:競合
- Company:自社
の「3C」を分析した上で、目的に合った施策を考えます。
お客さまの行動のプロセス(AIDMA)に着目すると、段階ごとに目標を設定し、目標に合ったマーケティング活動をしやすくなります。
マーケティング活動をする上でのポイントは、施策を実行したら、必ずそのデータを分析し、改善を図ること。
複数の施策を同時並行で行うことも重要です。
また、店舗と施策には相性があります。
1つ1つの施策の結果に一喜一憂せず、改善点を見つけながら取り組みましょう。
お店ならではの魅力をより多くのお客さまに届け、店舗の発展を目指しましょう。
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