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販促は効果測定が最大のカギ!分析のポイントやPDCAサイクルを回すコツ

date
2024/03/05
writer
コッタビジネス編集部
category
販売促進 > 販売計画
「販促に取り組んでも、イマイチ効果がわからない」 「もっと効果的な販促方法を知りたい」 このようなお悩みを抱えていませんか? 販促活動は、販促計画を立て、その通りに実行するだけでは十分ではありません。 販促の真価を発揮させるためには、その後の効果検証と分析が欠かせないのです。 実施した施策を測定・分析すれば、よりお店に効果的な販促活動が行いやすくなります。 この記事では販促を実施した後の効果測定について詳しく解説します。 売り上げ・利益アップに役立つ分析のポイントもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

販促計画を成功させるコツ

販促計画とは、売り上げ・利益目標を達成するために、どの時期にどのような販促施策を実施するのかを落とし込んだ計画のことを指します。 販促計画を立てる目的として、主に下記の3つが挙げられます。

  • 売り上げ・利益目標を達成するために必要な具体的な行動を「見える化」する
  • 計画を実行し、目標達成までの進捗や結果を測定しやすくする
  • 計画実行後に振り返り、次の販促計画の改善にいかす

あらかじめ販促計画を立てることで、目標に向かったブレない施策や、最適な手段を選びやすくなります。 販促計画を立てる手順やコツについては、こちらの記事で詳しく解説しています。 目標達成を実現!年間販促計画の立て方・ポイントを徹底解説
販促がうまくいかない場合、その原因のひとつとして「PDCAサイクル」が回せていないことが考えられます。 PDCAとは下記の一連の流れです。

  • Plan:目標設定・計画
  • Do:計画の実行
  • Check:効果の測定、課題の確認
  • Action:課題改善のための行動

販促計画を立てたら、計画を実行します。 実行のポイントはこちらの記事で解説していますのでチェックしてくださいね。 【飲食店向け】販促計画の実行ガイド|販促費の目安や販促アイデアも紹介
販促実行後は、その結果を検証して次回にいかすことが重要です。 年間の販促活動を通して、店舗と施策の相性や、実施する効果的なタイミングなどが見えてきます。 結果に基づいて改善を重ねることが販促を成功させるコツです。

販促の効果を検証するには?役立つ指標4つを紹介

各販促施策は「何のために販促をするのか」という目的を定めた上で実施します。 そのため、効果測定・検証は設定した目的に対してどのくらい効果が出たのか、という観点で行うとわかりやすいです。 ここからはお菓子屋さん・パン屋さん・カフェなどの飲食業でよく用いられる指標4つを紹介します。

反応率

反応率とは、実施した販促施策に対する反応の割合を指す数値です。 ここで示す「反応」とは、商品・サービスの購入や来店のことを指します。 主にチラシやDMなどの効果検証に使用されます。 反応率は

  • 反応率=反応数÷配布枚数×100

の式で計算できます。
例えばAとBの2つの地域にチラシを1,000枚配布したとします。
地域 配布枚数 反応数 反応率
A 1,000枚 50件 5%
B 1,000枚 30件 3%
Aの反応率:50(反応数)÷1000(配布枚数)×100=5% Bの反応率:30(反応数)÷1000(配布枚数)×100=3%
チラシの場合、反応率を測定する際は、エリアや時期ごとにデータを取ることがポイントです。 エリアや時期ごとに反応率を分析することで

  • 反応がよかった地域はどこか
  • 施策を実施すべき時期はいつか

などがわかるため、施策実施の判断材料となります。
注意点は「反応」をわかりやすく測定する工夫が必要なことです。 ただチラシをポスティングしたとしても、来店がそのチラシによる効果なのかは判断できないからです。 例えば配布するチラシに

  • このチラシを持参したお客さまは焼き菓子プレゼント
  • チラシに付いたクーポン持参で10%OFF

などのような特典やクーポンを付けるとよいでしょう。 クーポンを利用した人数から、反応率が調べられます。 住所を記載してもらう欄を設けたり、配布するエリアによってチラシの色分けをしたりすると、エリア別の反応率もわかりやすくなります。

CPO(Cost Per Order)

CPOとは、お客さまの集客にかかった販促コストを指します。 販促活動をきっかけに来店してくださったお客さまを1件獲得するのに、いくら費用がかかったのかという販促コストの妥当性を考える際に用いる指標です。 CPOは販促にかかった費用を、来店者数で割って算出します。

  • CPO=販促費÷来店客数

例えば、5万円かけてチラシを作成し、100人のお客さまがチラシを持って来店してくださった場合のCPOは500円です。 CPO=50,000円(販促費)÷100名(来店客数)=500円 つまり「500円のコストをかけて、お客さま1人を来店させることができた」という費用対効果がわかります。 CPOの数値が低ければ低いほど、費用対効果が高いと判断できるのです。
なおCPO分析を正確に行うためには、各販促媒体の来店者数を正確に把握することが必要です。 例えば

  • 販促媒体によって特典を変える
  • 会計の際にレシートを再発行して媒体別に仕分けしておく

などのように「来店客数を計測する仕組み」を事前に構築しておくと効果測定がしやすくなります。

損益分岐点(BEP : Break Even Point)

損益分岐とは、販促活動にかかるコスト以上に利益を生み出すことのできる最低売上高のボーダーラインのことです。 損益分岐点を超えることができれば、販促コスト以上に収益が出ていると判断できます。 反対に損益分岐点を割っている場合は、販促活動上の赤字です。 行っている販促をこのまま続けるかどうか判断するための指標になります。 販促費の損益分岐点を求めるには、粗利率を算出する必要があります。 粗利とは売上高から売上原価を差し引いた利益のことで、「売上総利益」ともいわれます。

  • 粗利=売上高-売上原価

粗利率は、売上高のうち粗利が占める割合のことです。 粗利率は、商品そのものの価値や収益性がわかる指標となります。 粗利率は下記の計算式で求められます

  • 粗利率(%)=粗利÷売上高×100

粗利率を求めた上で、販売促進の損益分岐点は下記の式で計算できます。

  • 必要売上高=販促費÷粗利率

例えば販促コストが5万円で、お店の粗利率が60%だとします。 その場合 50,000(販促費)÷0.6(粗利率)=83,333円 この販促では83,333円が損益分岐点となり、83,333円以上の売り上げを立てられれば、黒字になるということです。
ただし、現実的には一度の販促で黒字になる場合は多くありません。 お菓子屋さん・パン屋さんなどの飲食業はリピート客になってもらうことがお店の成功に関わります。 一度の販促で損益分岐点に届かなかったとしても、年間トータルで考えると黒字になることもあります。 販促費における損益分岐点はCPOの指標において、いくらで赤字になるのか・黒字になるのかを算出しておくとよいでしょう。

費用対効果(ROI:Return On Investment)

ROIは、販促活動にかけたコストと、その活動が生み出した利益の比率を表します。 つまり「どれだけコストパフォーマンスがよい販促活動であったのか」を数値化したものです。 販促活動の効率性と効果性(費用対効果)を評価できます。 ROIを求める計算式は下記の通りです。

  • ROI(%)=利益÷販促費×100

利益は下記のように、売上から売上原価と諸経費を引いてから計算します。

  • 利益=売上-売上原価-諸経費

例えば売上が150万円、売上原価が60万円、諸経費が15万円、販促費が25万円だった場合 利益=1,500,000(売上)-600,000(売上原価)-150,000(諸経費)=750,000 ROI(%)=750,000(利益)÷250,000(販促費) ×100=300 ROIは300%と算出できます。
ROIが0より大きい場合は使用した販促費から利益が発生していることを表しています。 0より小さい場合は赤字ということがわかります。 ROIが0より大きい場合は、現在の販促費の規模を継続させてもよいでしょう。 一方ROIが0を下回る場合は、販促費を縮小させたり、効果の見直しをしたりする必要があると判断できます。

販促の効果測定を次につなげる|PDCAサイクルを回すコツ

これまで解説した指標はあくまでも販促の効果を測定するものです。 測定・分析した結果からどのようなアクションを起こすのかが、売り上げ・利益をアップさせていくために重要です。 PDCAサイクルで重要な「C」と「A」のステップを解説します。

1. 販促の目的が達成できたかをチェックする

販促の目的は

  • 新規客獲得
  • リピート率アップ
  • 客単価アップ
  • 来店頻度を向上させる

などさまざまあります。 その目的に対して費用対効果が高いのか低いのか、という点で評価します。
例えば、新規顧客を狙った販促施策を実行し、新規顧客は取れなかったけれども、リピート率が向上したという結果が得られたとします。 この場合は「結果的にリピーター客が増えたから成功」ではなく、「この販促は改善するべき」という判断になります。 なぜかというと、目的と手段はセットだからです。 売上を上げたい場合はこの手法、顧客単価を上げたいときにはこの手法、というように目的に合わせた施策を打てるようになることが重要です。

2. 目的が達成できた要因・できなかった原因を探り、改善案を導く

なぜ目標が達成できなかったのか、その原因を見つけ出します。 反対に、達成できた場合はできた要因が何なのかも深掘りしましょう。 悪い部分を改善するだけではなく、よい部分を伸ばしたほうが大きな販促効果を得られることもあるからです。 分析は「なぜ?」を繰り返し、課題を整理します。 次はどうすれば実行可能であるかを検証します。 下記のように4つのレベルで区分すると、改善案が導きやすくなります。
A ゴールの調整が必要なレベルか? 施策中止や変更、追加が必要
B 計画の見直しが必要なレベルか? ゴールに変更はなくても課題の入れ替えや変更が必要
C 行動計画の見直しが必要なレベルか? ゴールも課題も同じだが、役目を終えたものや効果の少なかったものの変更が必要
D 改善が必要ないレベルか? 成果が出ているため継続する

3. 次のサイクルにつなげる

改善案を出したら、次の行動(Action)につなげます。 ただし、全ての改善案を実行するのではなく、「やること」「やらないこと」の優先順位を付けるトのがコツです。 PDCAサイクルは回し続けることが大切です。 ゴールの変更や計画追加などが必要となった場合、新たな課題に対する情報収集を行ない、次なるPDCAサイクルにつなげましょう。

まとめ

販促活動は「どんな販促計画を立てるか?」「成功する手段やツールは何か?」ということに目がいきがちですが、重要なのは

  • 販促計画を立てる
  • 実行する
  • 効果の測定・検証をする
  • 改善案を打ち出し、次の行動を起こす

というPDCAサイクルを回すことです。 PDCAサイクルを回す中で、お店にフィットする販促が判断できるようになり、より売り上げ・利益アップに効果的な施策を立てられるようになります。 販促がうまくいかなかったとしても、それは判断材料の引き出しが増えたということです。 トライアル&エラーを繰り返し、少しずつ引き出しを増やしていき、お店を成長させていきましょう。
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