パンに水あめを入れるとどうなるの?
甘味料の一つである水あめ。
水あめには保湿性があり、パンをしっとりやわらかくする効果が。
今回は水あめの特性を解説し、パン作りで水あめを使う場合の注意点や使用方法をご紹介します。
水あめの効果を生かした「ふんわりしっとり白パン」のレシピ付きです♪
水あめとは?
水あめとは、穀物や芋類に含まれるデンプンを人工的に分解・糖化して作られる、透明でとろりとした甘味料のこと。
主成分は「麦芽糖」です。
これに対して、砂糖はサトウキビやてん菜を精製して作られ、主成分は「ショ糖」。
つまり、砂糖に水を入れて煮詰めても、水あめを作ることはできません。
水あめと砂糖は、原料も製法も異なるのです。
水あめの効果
パン生地に水あめを使用する際の目安量は、粉100%に対して5〜10%。
水あめには保湿・保水性があるため、パン生地に入れるとふんわりしっとりと仕上げる働きがあります。
パンの老化を防ぐ効果があるため、かたくなりにくく、しっとり感が長持ちするパンができるのです。
パンに水あめを使うときの注意点
甘みが控えめ
水あめはすっきりとした上品な甘みが特徴。
砂糖に比べて甘みが控えめで、水あめの甘みは砂糖の40~60%程度といわれています。
甘みが足りない場合は、砂糖を併用すると良いでしょう。
生地がべたつきやすい
水あめの約20%は水分。
とろりとした水あめを入れすぎると、生地がベタベタしてこねにくくなる原因に。
パンやお菓子に水あめを使用する際は、水分量を調整する必要があります。
発酵に時間がかかる
パン生地に水あめを入れると、発酵が少し遅くなります。
同じ時間、一次発酵を取った生地を比べてみましょう。
水あめ入りの生地は膨らみが少ないのが分かりますね。
そのため、水あめを入れる場合は、発酵時間などの調整が必要になります。
発酵を促す効果のある砂糖を併用するのもおすすめです。
パンに焼き色が付きにくい
水あめの主成分である麦芽糖には、焼き色を付きにくくする働きがあります。
逆に、砂糖のショ糖やはちみつの果糖には焼き色を付きやすくする働きが。
では、水あめ入りの生地と砂糖のみの生地の焼き上がりを比べてみましょう。
水あめ入りの生地は焼き色が薄くなっていますね。
水あめはあまり焼き色を付けたくない白パンや、色をきれいに出したいパンに加えると良いでしょう。
水あめと砂糖の置き換え方
水あめと砂糖の甘さが同じになるように置き換える方法を解説します。
以下の2点を踏まえて考えます。
- 今回は水あめの甘みを砂糖の60%として考える
- 水あめの約20%は水分
*水あめの甘みに関しては、各メーカーHPの記載や問い合わせで確認できます。参考にしてみてください。
砂糖を水あめに置き換える場合
(砂糖の量)÷0.6=(水あめの量)
(水あめの量)×0.2=(減らす水分量)
例えば、砂糖12gを水あめに置き換える場合、水あめを20gにして、水を4g減らします。
水あめを砂糖に置き換える場合
(水あめの量)×0.6=(砂糖の量)
(水あめの量)×0.2=(増やす水分量)
例えば、水あめ12gを砂糖に置き換える場合、砂糖を7.2gにして、水を2.4g増やします。
ふんわりしっとり白パンのレシピ
材料(5個分)
- 強力粉…200g
- 牛乳…130~135g
- 水あめ…12g
- 砂糖…10g
- 塩…3g
- インスタントドライイースト…3g
- 無塩バター…12g
作り方
- 材料は全て常温にする。
暑い時期以外は、牛乳を人肌程度に温める。 - ボウルにバター以外の材料を入れて、スケッパーなどで混ぜる。
ひとまとまりになったら手でこねる。 - 生地がつながってきたら、バターを入れてさらにこねる。
表面がなめらかになったらこね上がり。もちろん、ホームベーカリーなどで生地をこねてもOK。
- 一つに丸めたら、とじ目を下にしてボウルに入れる。
ラップをして暖かい場所で一次発酵をする。
生地が約2〜2.5倍の大きさになったら発酵完了。
- 生地を手で押さえてガスを抜き、スケッパーで5等分にして丸める。
乾燥しないようにボウルをかぶせ、15分間休ませる。 - ガスを抜いて生地を丸め直す。
上から手で生地を押して、少し平らにする。
軽く粉を振っためん棒で、生地の真ん中を強めに押しつぶす。
- オーブンシートを敷いた天板に並べ、湿気のある暖かい場所で二次発酵をする。
約2倍の大きさになれば発酵完了。生地の表面に強力粉を振る。
- 180℃に予熱したオーブンを160℃に下げて、13分間程度焼く。
- 出来上がり。
「ふんわりしっとり白パン」の詳しいレシピページはこちら。
水あめをパン作りに使ってみよう
今回は、パン作りで水あめ使う場合の効果や注意点などについて解説しました。
水あめ入りのふんわりしっとりしたパンを、ぜひ作ってみてくださいね。