人気の高い国産小麦・キタノカオリについて知ろう!
近年人気が高まっている国産の小麦粉。中でも根強いファンが多い、北海道産のパン用小麦「キタノカオリ」についてご紹介します。
粉の味が堪能できる、シンプルなミルクパンのレシピもお教えするので、キタノカオリの魅力を存分に味わってくださいね。
キタノカオリとは
キタノカオリとは、2003年に優良品種に登録された、とても人気のある北海道産の強力粉。
北海道の「ホロシリコムギ」と、ハンガリーの「GK-Szemes」という小麦を掛け合わせて作られました。
国産の風味豊かさと外国産の優れた製パン性、それぞれの良いところを兼ね備えています。
キタノカオリの3つの特徴
1.色
キタノカオリは、粉の色が薄いクリーム色。
他の品種と比較した画像を見ると、違いが分かりやすいのではないでしょうか。
同じ北海道産でも違いがありますね。
焼き上がりも、少し黄色味がかったパンになります。
2.味わい
香り豊かで甘みがあり、風味が濃い。やみつきになる方も多い強力粉です。
パンの食感は、しっとりもちもち。
3.製パン性
ベタつきやすく膨らみもイマイチというイメージのある国産小麦ですが、そんなイメージを覆すのがキタノカオリ。
吸水性が良くて作業しやすく、膨らみます◎
キタノカオリで作るミルクパンのレシピ
粉の味を堪能するためにシンプルな配合で。水の代わりに牛乳を使ってミルキーな味わいをプラスしました。
キタノカオリは吸水が良いので水分量は多めです。
材料(6個分)
- 強力粉(キタノカオリ)…200g
- 牛乳…150g
- 砂糖…15g
- インスタントドライイースト…2g
- 塩…3g
- 無塩バター…15g
下準備
- 材料は全て常温に戻す。
- 暑い時期以外は、牛乳を人肌程度に温める。
作り方
- ボウルに牛乳・ドライイースト・砂糖・強力粉・塩を入れて混ぜる。
水気がなくなれば、台に出して手でこねる。生地がつながってきたら無塩バターを入れ、押したりたたきつけたりしてこねる。のばすと薄い膜が張り、表面がなめらかになればこね上がり。*始めはべたつくが、こねるうちにまとまる。ホームベーカリーなど、こね機を使用してもOK。
- 生地をひとつに丸め、とじ目を下にしてボウルに入れる。
ラップをして暖かい場所(30〜35℃)で、一次発酵(50〜60分間)。生地が約2.5倍の大きさになれば発酵完了。
- 生地を手で押さえてガスを抜き、スケッパーで6等分にして丸める。
乾燥しないようにボウルをかぶせ、15分間休ませる。
- 生地のガスを抜いて丸め直し、とじ目を下にしてオーブンシートを敷いた天板に並べる。
湿気のある暖かい場所(約35℃)で、生地が乾燥しないようにして二次発酵(45分間~)。
- 発酵が終わる少し前に、オーブンを180℃に設定して予熱を始める。
生地が約2倍の大きさに膨らめば発酵完了。
- 180℃のオーブンで13分間〜焼成。
焼き色が付いたら出来上がり。
「キタノカオリのミルクパン」の詳しいレシピページはこちら。
キタノカオリがなくなる?
近年、キタノカオリの生産量が減っているといわれています。
秋まき小麦であるキタノカオリは、秋に播種して冬を越し、夏に収穫する小麦。収穫までに10か月かかるので、栽培にはもともと手間がかかります。
さらに温暖化や天候不順が大きな原因に。
キタノカオリは雨に弱いという欠点があり、収穫前の6〜7月に長雨にさらされると「穂発芽」しやすいそう。穂から芽が出ると、パン用小麦としての価値はなくなってしまいます。
このように栽培に苦労することから、キタノカオリから手を引く農家が増え、作付面積が減っているのです。
キタノカオリを熱望する声に応えるため、苦労しながらも栽培を続けてくださる生産者さんのおかげで、供給が完全に停止することはないでしょう。
しかし生産量の減少はこれからも続くとみられ、手に入りにくい希少な存在になりつつあります。
まとめ
人気の高い北海道産の強力粉、キタノカオリについてご紹介しました。
豊かな風味としっとりもちもち食感のキタノカオリのパンを味わえば、その虜になること間違いなし!
ぜひ一度お試しください。