カフェ・飲食店においてアルバイト・パートスタッフはお店の経営を支えてくれる大事な戦力。
スタッフの採用に力を入れているお店も多いのではないでしょうか?
採用したスタッフがすぐに辞めてしまうと、費やした時間やコストの損失になりますよね。
スタッフが定着しないと慢性的な人手不足となり、店舗の疲弊・経営悪化になりかねません。
この記事ではアルバイト・パートスタッフの定着を促進し、離職率を改善するポイントを紹介します。
「せっかく採用したのに、スタッフがなかなか定着しない」とお悩みの方はぜひチェックしてくださいね。
スタッフが定着しやすいお店を作り、経営の安定化を目指しましょう。
離職につながりがちな職場のマイナス要素
雇ったアルバイト・パートスタッフがお店に定着しない場合、その理由はどんなことが考えられるでしょうか?
飲食店で離職の原因になりがちな理由として、下記のようなことが挙げられます。
教育・トレーニング制度が整備されていない
教育・トレーニング制度は整っていますか?
スタッフの育成は離職率と大きく関係します。
特に個人店ではほかの業務で手いっぱいになってしまうことが多く、新人教育に時間を割けないことがあるかもしれません。
しかし、新人スタッフの不安を払しょくするために、最低限の教育は必要です。
たとえ「わからないことがあれば聞いてね」と伝えていたとしても、新人の段階では「何がわかっていないのかがわからない」という場合が多くあります。
教育が不十分だとスタッフは正解がわからず、心理的な負担が大きくなり、早期離職につながる恐れがあるのです。
休みたいときに休めない
勤務シフトを組むときに、ある程度はスタッフの希望休が叶う体制になっていますか?
希望した休日が取得できないことが続くと、不満がたまり、離職の原因に。
お菓子屋さん・パン屋さん・カフェなどの飲食業では、土日祝日にお客さまが多く訪れます。
そのため、スタッフは土日祝日の休みを取りにくい状況になりがちに。
「家族や友人との予定が合わない」といった悩み・不満を感じる場合があります。
また人員不足の店舗では、希望通りの休日を取りづらいこともあるのではないでしょうか?
急な欠員が出た場合や休暇の代わりのスタッフの確保が困難なことも。
休む曜日の制約があることや、シフトの融通が利きにくいという理由で離職してしまう人が多いと考えられます。
給与・評価体制に不満がある
仕事を頑張っても正当に評価されず、給与が上がらないことが続くと、モチベーション低下の原因に。
例えばアルバイトスタッフのスキルが向上し、他のアルバイトを指導できるまでに成長したとします。
その仕事ぶりを特に評価しなかった場合、そのスタッフはどのような気持ちになるでしょうか?
「誰も自分のことを見てくれていない」
「何のためにがんばっているのだろう?」
というような、ネガティブな気持ちになると思いませんか?
仕事へのやりがいを感じなくなることが離職の大きな原因になります。
アルバイト・パートスタッフの定着率が悪い場合、上記のことに当てはまっていないか確認しましょう。
まずは離職原因を把握することが重要です。
離職率を改善するカギは「従業員満足度(ES)」
アルバイト・パートスタッフがお店を辞める原因をいくつかご紹介しましたが、これらには共通項があります。
それは根本的な問題として「従業員満足度が低い」ことです。
従業員満足度(ES: Employee Satisfaction)とは、職務内容や待遇、労働環境、人間関係など、職場や仕事に対して抱く従業員の満足度のことです。
従業員満足度が低い場合、職場や仕事に対してのマイナス感情が発生しやすくなります。
発生したマイナス感情は、仕事へのやる気やモチベーションを引き下げます。
これらの問題が解消されないままであることで、離職につながってしまうのです。
つまり、離職を防止して店舗への定着を促すには従業員満足度をアップさせることが大切です。
従業員満足度を上げると店舗経営の好循環が生まれる
従業員満足度を向上させると、経営においてさまざまなメリットが生まれます。
スタッフのモチベーションが向上する
従業員満足度が向上すると、スタッフは仕事に対して高いモチベーションで働けます。
意欲を持って仕事に取り組むことで、提供する商品・サービスの品質アップにつながります。
スタッフの生産性向上が期待できるのです。
顧客満足度(CS)がアップする
モチベーションが高く能動的に仕事に取り組むスタッフの姿勢は、顧客満足度にも影響します。
お客さまが求める品質の商品・サービスを提供できるようになれば、自然と顧客満足度がアップしますよね。
顧客満足度が向上すると、店舗のファンとなり、リピーターになることが期待できます。
また、リピーターから派生するよい口コミがあれば、さらなる集客効果もあるでしょう。
顧客満足度の向上は店舗の売り上げ・利益アップにつながるのです。
スタッフの定着率が高まる
従業員満足度が上がり、やりがいをもって働くことで、職場や仕事に対する愛着が生まれます。
「このお店だから働きたい」という気持ちが高まるため、スタッフの離職を防ぐことができるのです。
お店に定着して長く働いてもらえれば、スタッフに経験値が積み上がり、お店の戦力へと成長します。
また、採用活動の頻度が減るため余分なコストを抑える効果も期待できます。
上記で挙げたメリットは相関関係でつながっています。
業績がよくなり、給与・待遇の改善や、スタッフ育成の強化などをすれば職場環境が良好になりますよね。
さらに従業員満足度がアップするという経営の好循環が生まれるのです。
スタッフの離職を防ぐ!従業員満足度をアップさせる2つの要因
従業員満足度をアップさせるために大事なのがモチベーションの維持です。
モチベーションを支える考え方で有名なものとして、アメリカの臨床心理学者フレデリック・ハーズバーグ氏が提唱した「二要因理論(動機付け・衛生理論)」を紹介します。
二要因理論では、従業員の仕事へのモチベーションを維持させる要素は、「衛生要因」と「動機付け要因」の2つであると説いています。
具体的にどのようなことなのかを解説します。
衛生要因を整える|職場への不満を取り除く
「衛生要因」とは、職場環境に関わる要素です。
具体的には下記のようなものが挙げられます。
- 給与・待遇
- 職場の人間関係
- 勤務シフト
- 教育制度
- 衛生状況
衛生要因は整備されていないとスタッフの不満感につながる項目です。
衛生要因が満たされていたとしても、不満の解消にとどまり、仕事へのやりがいやモチベーション創出には直接関わらないという点に注意しましょう。
動機付け要因を整える|仕事への満足度を上げる
「動機付け要因」とは、仕事内容に関わる要素です。
例えば下記のようなものが挙げられます。
つまり、スタッフが仕事を通して「楽しい」とやりがいを感じるモチベーションづくりや、成長ビジョンを感じるような意欲・達成感の創出が動機付け要因です。
端的に表現すると、動機付け要因は「働きがい」、衛生要因は「働きやすさ」。
ポイントはどちらか一方ではなく両方を整備することです。
衛生要因・動機付け要因を整える|従業員満足度を上げ離職を防ぐ方法
対策を考える前に、前提としてスタッフが職場・仕事に感じるネガティブな要素を洗い出しましょう。
スタッフへのヒアリングやアンケート調査などで改善点を把握した上で対策しましょう。
衛生要因と動機付け要因を満たし、スタッフの満足度をアップさせる代表的な例をご紹介します。
風通しのよいチーム作り
働きやすい職場作りのためには、良好な人間関係の構築が欠かせません。
日ごろからスタッフをよく見て、コミュニケーションをとることを心掛けましょう。
スタッフを観察すれば、スタッフ間に問題が起こった場合、一早く相談に乗れます。
また、スタッフにも「自分を見てくれている」という安心感が生まれ、信頼が醸成されます。
また、正社員・アルバイト・パートの立場に関わらず、店舗が掲げる目標や、売上の結果などを共有することも実は大切なことです。
ひとつの目標に向かってチーム全員で取り組み、みんなで目標を達成することが働く楽しさになるのです。
コミュニケーションのポイントについては、こちらの記事で紹介していますのでぜひご覧ください。
飲食店店長の大事な役割|スタッフがイキイキ働けるお店作りのコツ
スタッフの教育に力を入れる
スタッフがイキイキと自主的に働くためには、採用後の教育・トレーニングが欠かせません。
マニュアルを準備したり、OJTを導入したり、新人スタッフを店舗全体でバックアップしましょう。
教育が疎かだと、スキルや知識を習得できません。
わからないことが多く、不安を抱えたまま仕事をするのはとてもストレスですよね。
反対に、スキルを身につけ、どんどんできることが増えていくと自己成長を感じます。
「自分が役に立っている」という実感が仕事の楽しさや、やりがいにつながります。
アルバイトスタッフの教育については、こちらの記事で紹介しているのでぜひご覧ください。
カフェ・飲食店のアルバイト教育|お店の戦力となる人材育成のポイント
評価制度を整える
自分の頑張りが認められ、評価されることは誰にとってもうれしいものですよね。
正当な評価は従業員のモチベーションを高めてくれます。
評価を通し、自己成長や達成感を得られます。
「お店に貢献している」という気持ちは、店舗への愛着にもつながるのです。
評価制度を整え、活躍を承認・評価する仕組みづくりをしましょう。
評価基準・昇給基準についてはこちらの記事で詳しく解説していますのでチェックしてくださいね。
アルバイト・パートの評価制度|やる気を引き出すポイント・導入ステップを紹介
まとめ|スタッフ離職率改善のカギは「働きがい」と「働きやすさ」を創出し、従業員満足度をアップさせること
この記事ではスタッフの離職率を下げる対策、従業員満足度をアップさせる方法について紹介しました。
お菓子屋さん・パン屋さん・カフェなどの飲食店では、スタッフの活躍なくして経営が成り立つことはありません。
お店の成長のためにはスタッフの定着率が重要です。
スタッフの定着を促すためには、従業員満足度をアップさせるための取り組みを、店長が率先して行いましょう。
スタッフが働きやすい環境を整え、モチベーション高く働いてもらうことでお店全体のチーム力がアップします。
顧客満足度の向上、売り上げ・利益の増加という好循環が生まれ、結果的に安定した経営につながるでしょう。
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