国産のパン用強力粉「ゆめちから」
「ゆめちから」という北海道産の強力粉をご存じでしょうか。
国産小麦はパン作りに不向きといわれる中で研究・開発された、パン向きの小麦です。
今回は、ゆめちからについて詳しく解説。
ゆめちからで作る、もちもちパンのレシピもご紹介します。
ゆめちからとは
ゆめちからとは、北海道産小麦の品種名。
北海道農業研究センターが13年間もかけて開発したパン用の硬質小麦で、北海道農作物優良品種にも認定されています。
小麦は湿度に弱く、蒸し暑い夏がある日本の気候では栽培が難しい作物。そのため、日本の小麦の自給率は低いといわれてきました。
ゆめちからは9月に種をまき、翌年の7月、蒸し暑くなる前に収穫する秋まき小麦。
そのため、日本の気候でも栽培しやすくなっています。
ゆめちからは、国産のパン用小麦を普及させ、小麦の自給率を上げる存在として期待されているのです。
ゆめちからの特徴
その力強さに夢を託されたというゆめちからについて、詳しく見ていきましょう。
タンパク含有量が多いためパン向き
小麦粉の分類は、タンパク質(グルテン)の多い順から強力粉・中力粉・薄力粉に。
小麦粉に水を加えてこねると形成されるグルテンが多いほど、弾力が出るといわれています。そのため、パンには強力粉を使うんですね。
中力粉が多いといわれる日本の小麦粉の中でも、ゆめちからは強力粉よりもタンパク含有量の多い“超強力粉”。
強力粉よりも弾力のあるパンを作ることができるのです。
ブレンドに適している
グルテンの少ない国産小麦とブレンドすると、さらに扱いやすくおいしいパンに。
ブレンド比率や製法を変えることで、さまざまな特徴のパンを作ることができます。
吸水がよい
国産小麦は吸水が悪くべたつきやすいので、水分を控えめにすることが一般的。
しかし、ゆめちからは非常に吸水率が高く、外国産小麦と同程度の水分量で扱いやすい生地を作ることができます。
こね時間はやや長め
ゆめちからは高タンパクなので、強いグルテンを作ることが可能。ですがグルテンの形成には少し時間がかかります。
しっかりこねることで強固なグルテンに◎
もっちり・しっとりしたパンができる
弾力が強く、もっちり・むっちりした食感のパンができるゆめちから。
甘みがありしっとり感も長持ちします。
ゆめちからを使ったもちもちパンのレシピ
ご紹介するのは、ゆめちからを100%使ったもちもち感を存分に楽しめるシンプルなレシピ。
水分が多めで始めはべたつきますが、こねているうちにまとまります。
材料(6個分)
- 強力粉(ゆめちから)…200g
- 水…140g
- 砂糖…16g
- 塩…3g
- インスタントドライイースト…2g
- 無塩バター…12g
下準備
- 材料は常温にする。
*暑い時期以外は水を人肌程度に温めておく。
作り方
- ボウルにバター以外の材料を入れてヘラなどで混ぜる。
- ひとつに丸めてとじ目を下にしてボウルに入れ、ラップをして暖かい場所で一次発酵をする。
- 生地を手で押さえてガスを抜き、6等分にして丸める。
- 生地のガスを抜いて丸め直し、とじ目を下にしてオーブンシートを敷いた天板に並べる。
- 発酵が終わる少し前に、オーブンを200℃に設定して予熱を始める。
- 生地の表面にクープナイフで2本切れ目を入れる。
- 200℃のオーブンで13分間〜焼成。
水気がなくなれば手でこね、生地がつながってきたらバターを入れてさらにしっかりこねる。
表面がなめらかになればこね上がり。
*ホームベーカリーでこねてもOK。
生地が約2〜2.5倍の大きさになれば発酵完了。
乾燥しないようにボウルをかぶせ、15分間休ませる。
湿気のある暖かい場所で生地が乾燥しないように二次発酵(50分間~)。
生地が約2倍の大きさに膨らめば発酵完了。
軽く焼き色が付いたら出来上がり。
「ゆめちからのもちもちパン」の詳しいレシピページはこちら。
魅力いっぱいのゆめちからを使ってみよう
パン作りに適した小麦として期待されるゆめちから。
使用することで、国産小麦を普及させて小麦の自給率を上げることにも貢献できるんですよ!
初心者でも失敗が少ないゆめちからを使って、もちもちのおいしいパンを作ってみましょう。