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販促費の考え方|適切な予算の組み方や、販促効果をアップさせるポイントを紹介

date
2024/05/14
writer
コッタビジネス編集部
category
コスト管理 > 販促費
お菓子屋さん、パン屋さん、カフェ・飲食店などの店舗集客において、販売促進・プロモーション活動は必須ですよね。 販促によるアプローチには経費がかかるものですが、そこにかける予算について把握していますか? 「そもそも販促費はいくらが適正なの?」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。 今回の記事では、販促予算の考え方や決め方、売上と予算の適正な比率について解説します。 コストを抑えながら売上アップを実現するための具体的な事例もご紹介。 お店の販促活動を成功に導くヒケツをお伝えしますので、最後までチェックしてくださいね。

販促費(販売促進費)とは?

「販促」とは、お客さまが自店舗の商品・サービスを知るきっかけを作ったり、購買意欲を促したりすることを指します。 販売促進費とは、販促活動、つまり売上を伸ばすために使う費用のことです。 直接的な販売活動やお客さまとの関係強化に重点を置いた支出です。 販促費の例としては、具体的に下記のようなものが挙げられます。 【例】

  • ノベルティやオリジナルグッズ、景品などの費用
  • クーポンやキャッシュバック、ポイントカードの割引特典、プライスダウンの費用
  • 送料無料負担
  • 店頭での販促ツールの製作費
  • 商品POPやポスター、看板、のぼりなど
  • 実演販売や試食販売の経費
  • イベントや展示会などの出店・運営費
  • 販売手数料

販売促進費と広告宣伝費の違いは?

販売促進費と混同されがちなものに広告宣伝費があります。 広告宣伝費も売上を伸ばすために使う費用のひとつです。 販売促進費と異なる点は、不特定多数の人に対し、店舗や商品・サービスを宣伝するところ。 ブランドの認知度アップをメインの目的とし、より広範なメディアを活用する場合が多いです。 代表例としてはテレビCMや雑誌への広告出稿、ネット広告などがあります。 販売促進費と広告宣伝費は明確に区分することが難しい場合もあり、あえて区分しないで考えることも多いです。 一般論として「消費者に直接的な販促をするために使う費用」が販売促進費と呼ばれます。

販促予算を組む2つのケース

販促予算を決めるケースとして、2つのパターンが考えられます。

  1. 年間や月間の売上予算の中から販促予算を見積もるケース
  2. 「販促を行う商品やサービスの売上」の試算から逆算し、販促に充てられる金額を見積もるケース

上記のように、目的によって、販促の考え方が異なります。 それぞれのケースについて確認しましょう。

1. 年間や月間の売上予算の中から販促予算を見積もるケース

売上は月によって波がありますよね。 年間予算や月別予算を立てる中で、「この月はいつも以上に売上を伸長させる必要がある」というような戦略を立てる場合があります。 年間計画を立てる時点で把握している販促費用は、年間や月間の売上予算を基に見積もりを立てましょう。 戦略に使われる販促としては下記のようなものが挙げられます。

  • ノベルティやオリジナルグッズ、景品などの費用
  • クーポンやキャッシュバック、ポイントカードの割引特典、プライスダウンの費用
  • 送料無料負担
  • イベントや展示会などの出店・運営費

これらの販促予算は、年間や月間の売上予算の中から見積もると、年間を通しての収支バランスが取りやすくなります。

2. 「販促を行う商品やサービスの売上」の試算から逆算し、販促に充てられる金額を見積もるケース

新商品・新メニューなどの露出・認知拡大を目的に販促を行う場合は、個々の売上を試算し、販促予算を見積もりましょう。 新商品や新メニュー販促で発生する費用は下記のようなものが考えられます。

  • 店頭での販促ツールの製作費
  • 商品POPやポスター、看板、のぼりなど
  • 実演販売や試食販売の経費

年間販促計画には組み込めない、スポット的な販促はこちらのケースに当てはまります。

販促予算の立て方

ここからは前章の「2. 販促をおこなう商品やサービスの売上」の試算から逆算し、販促に充てられる金額を見積もるケース」を想定して、販促予算の立て方について順を追って解説します。

STEP1. 売上の目標を立てる

ここで算出する売上試算が、販促予算の基準値となります。 売上の目標を具体的に定めることで、販促活動の目指す方向性が明確になります。 また、基準値に基づいて戦略を練ることで、投資の回収率を高められます。 何度も計算して具体的かつ目標に近い数値を設定しましょう。 ひとつの商品を販促するのではなく、複数の商品を販促する場合がありますよね。 例えば、複数の商品を掲載するキャンペーンチラシの販促予算を立てる場合は、「そのチラシを発行することで発生する売上の合計」を試算しましょう。 ここからはわかりやすく「1ホール3,500円のケーキAを月間100個販売する」という試算で手順を解説していきます。

STEP2. 原価や経費の見積もりを算出する

3,500円のケーキAが月間100個売れた場合、35万円の売上が発生します。 35万円の売上から販売促進費用以外の製造原価(原材料費や製造人件費、製造経費)を差し引いて、利益を計算しましょう。 例えばAの製造原価が1,050円だった場合の利益は 3,500円-1,050円=2,450円 月間の利益は 2,450円×100個=245,000 ケーキAの月間利益は245,000円と算出できます。 つまり、245,000円が、販促予算に充てられる限界値です。

STEP3. 販促予算に充てる割合を決める

一般的な飲食店の販促予算の割合(販促費比率)は売上の3~5%。 ケーキAの場合、月間売上予算が35万円なので、販促予算の適正範囲は10,500~17,500円です。 販促予算の割合を決めるときの注意点は、販促の目的や販促する商品の価値を考慮する必要があること。 例えば今回の販促が、ケーキAをお店の看板商品として認知度をアップさせ、利益確保の柱として育てていくためのものなのであれば、販促費を多めに設定するとよいでしょう。 反対に、ケーキAが特定の顧客層への商品なのであれば、できるだけ販促予算を抑え、利益を多く確保する販促方法が適しています。 算出した販促予算の適性範囲内で予算を組むとよいでしょう。
このように、目安の数字を当てはめるだけでなく、販促の目的や商品・サービスの将来性を考え、販促予算と利益のバランスを考えることが大事です。 販促予算の割合を明確に設定すると、計画的かつ戦略的な販促方法を考えやすくなります。 販促計画の立て方はこちらの記事で詳しく解説しているので、併せてチェックしてくださいね。 目標達成を実現!年間販促計画の立て方・ポイントを徹底解説

予算内で販促効果を出すポイント

限られた予算の中で費用対効果をアップさせるポイントを紹介します。

販促の優先順位を決める

年間を通して、さまざまなイベントやキャンペーンを実施しますよね。 「なんとなく」や「他のお店もやっているから」など、目的もなく販促をしても期待した効果は得にくいもの。 販促の目的を明確にし、それぞれの販促施策に優先順位を付けましょう。 例えば、現在売上が安定している看板商品をさらに売り込むことを優先するのか、新商品の知名度を高めて売上の可能性を伸ばすのか。 優先順位はお店の状況や目指す方向によって変わります。 優先順位を付けると、限られた予算の割り振りがやりやすくなり、適切な施策が実行できます。 また、優先順位が低く削れる場所が見えるため、経費削減にもつながります。

販促の効果測定をする

販促施策を実行し、それきりにしていませんか? 販促実行後の結果を検証し、次回にいかすことが重要です。 結果検証をすることで、予算を組んだ割に効果がなかった施策や、コストをさらにかければもっと効果が見込めた施策などが見えてきます。 店舗と施策の相性や、実施する効果的なタイミングなどがわかりやすくなり、次の販促計画や予算編成の戦略を練りやすくなりますよ。
結果に基づいて改善を重ねることが販促を成功させるコツです。 販促の効果測定や分析のコツについてはこちらの記事で詳しく解説しています。 販促は効果測定が最大のカギ!分析のポイントやPDCAサイクルを回すコツ

コストを抑えた販促活動のヒント

限られた予算内で効果的に売上を伸ばす販促例をご紹介します。

SNSを活用する【お客さまに情報を届ける】

InstagramやX(旧Twitter)などのSNSは低コストで広範囲の人々にリーチできるツールです。 定期的に店舗情報を投稿することで、フォロワーの関心を引き、店舗へ足を運んでもらえる可能性が高まります。 写真や動画など、ビジュアルからアプローチできるInstagramは飲食店と親和性が高いSNSです。 Xは情報の拡散性が高く、リアルタイムの情報発信に向いています。 SNSはお店との相性を考えて活用するのがコツです。 飲食店のSNSの活用についてはこちらの記事をチェックしてくださいね。 【飲食店】SNSを集客に活用!メリットやデメリット、成功のコツを徹底解説

MEO対策でローカル検索を強化する【お客さまに情報を届ける】

お店の情報をGoogleビジネスプロフィールに掲載しましょう。 Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)は無料で店舗情報をGoogle検索上に掲載できる集客ツールです。 Google検索やGoogleマップ検索で、自店舗のGoogleビジネスプロフィールを上位に表示させるための対策方法を、通称「MEO対策」と呼びます。 多くの人は行きたいお店を検索するときにGoogle検索を使用して、情報を調べますよね。 MEO対策をしておくと、検索結果に表示されやすくなり、お店の存在を検索者にアピールできます。 また、商品・サービスやクチコミなどの情報が充実していると、集客につながる可能性もアップします。 MEO対策については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。 ローカル検索で集客力をアップさせるコツ|お菓子屋・パン屋の店舗集客

メルマガやLINE公式を活用する【リピート施策】

メールマガジンやLINE公式などを使い、リピート率をアップさせましょう。 顧客情報を取得している既存客に向け、新商品やイベントの情報などを発信します。 一緒にクーポンやお得情報を掲載し、購買意欲を高めて来店を促します。

販促力のある商品POPを設置する【店頭での販売強化】

商品のそばに置く、商品POP。 POPは工夫次第で販促力をアップさせ、ダイレクトに売上に貢献する強力なツールです。 例えばいつものプライスカードを、イベント商品のみ目立つものに変更するだけで販促力が向上することも。 手書きPOPの場合は、イベントやキャンペーンなどに即時対応し、販促強化できるメリットがあります。 POPの作り方のコツはこちらの記事で紹介しています。 POP(ポップ)の作り方・効果を上げるポイント|伝わる書き方のコツを紹介!

まとめ

販促費は店舗の売上アップのために欠かせない支出のひとつ です。 販促費の基本的な考え方を理解し、適切な販促予算を組みましょう。 飲食店での一般的な販促費比率は売上の3~5%。 限られた販促予算をどのように使うかが重要です。 施策に優先順位を付け、メリハリのある販促活動が店舗を成功へと導きます。 販促予算がかけられない場合でも、SNSの活用や商品POPの工夫などで販促力はアップできます。 効果の検証、改善をしながら販促費を上手に使い、店舗を成長させていきましょう。
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